【脳神経外科看護は楽しい!】看護師の役割と学習のポイント

 

今回は、脳外に興味がある看護学生さんや、脳外に配属された新人さん向けに、脳外病棟の看護の魅力と学習方法をお伝えします。

脳神経外科病棟とは

脳神経外科病棟では、脳・脊髄・脊椎・神経系全般の病気の患者さんが入院しています。
病院によって得意な治療が異なるため、疾患の割合も変化しますが、脳卒中をメインに扱っているところが多いでしょう。他にも脳腫瘍・水頭症・三叉神経痛・慢性硬膜下血腫・パーキンソン病などで手術を受ける方がいます。
また、手術以外にも放射線治療や化学療法で入院する患者さんもいるため、内科的な治療や緩和ケアの知識も必要です。

脳神経外科 病棟看護師の役割

・安全に治療を遂行できるように日常生活をサポート
・異常の早期発見
・検査/治療の準備や介助と治療後のケア
・リハビリ
・生活指導
・他職種や地域との調整
脳神経外科の看護師は上記のような役割を担っています。治療前から今後の生活を見据え、どのように患者さんのQOLを維持・向上させるかを意識してケアをしていくことが大切です。

脳神経外科 病棟看護師に必要なこと

脳神経外科病棟では、「今すぐ手術!」というような急性期特有のスピード感がある一方で、運動麻痺や高次脳機能障害がある患者さんのリハビリのために、見守りながら時間をかけて待たなければならない場面も多くあります。
看護師が「何か変だ」と小さな変化に気づくことが早期の治療介入に役立つことも多く、常に観察しながら患者さんのペースに合わせることが大切です。
そのため、脳神経外科の看護師は、頭の切り替えの早さ、自分に余裕がない時でも相手を思いやれる精神力、大人数の体位交換やストレッチャー移送するための体力が必要とされます。
これらは、働いているうちに習得できることもあります。「脳外に興味はあるけど自分には向いていないかもしれない」と迷いを感じているなら、まずはチャレンジしてみることをおすすめします。

脳神経外科看護の楽しさ

脳神経外科病棟に入院する患者さんの多くは脳卒中です。麻痺や意識障害がある患者さんが、治療・リハビリを経て、元気になっていく姿を見ることができるのはとても嬉しいものです。

一方で、重度の後遺症や終末期のケアが必要な患者さんもいます。リハビリや身の回りのサポートだけでなく、患者さんの心や家族のケアもとても大切です。失語・記憶障害など、コミュニケーションに工夫が必要な方との関わりも多く、戸惑うことがあるかもしれません。しかし、工夫をしながら看護をすることで、患者さんや家族の思いを汲み取れるようになったり、自分の看護観が変化していくのを感じたりできます。

脳神経外科病棟での看護の楽しさは、人間(脳)の可能性の大きさを知ることができ、日々の生活の尊さを間近で感じることができるところです。人を観察し、人と関わりを持つことが好きなスタッフが多いため、チームワークの良い職場が多いようです。

主な仕事内容

主な仕事内容は、入院・検査の準備/介助・術前後のケア、ドレーン管理、内服/点滴管理、日常生活援助(食事・排泄・清潔ケア・歩行介助…etc)、退院支援などです。

配属が決まった時の学習のポイント

病棟の特徴がわかっているのであれば、その病棟で多く扱う技術を学習しましょう。
病棟の特徴がわからない場合は、脳神経外科病棟であれば必ず必要になる以下の5点を早めに押さえておきましょう。

①大脳・12神経・血管の名前と大まかな役割
②VSの観察(体温/血圧/脈拍/SPO2/呼吸数)
③意識レベルの観察(GCS/JCS/瞳孔)
④四肢レベルの観察(MMT)
⑤ドレーン管理の基本(脳室ドレーン/スパイナルドレーン/硬膜下ドレーン)

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脳神経外科領域は、乳幼児から高齢者まで対象が幅広く、疾患も多い上に、日々治療法も進化しているため、最初は勉強しにくいかもしれません。そのため、入職したばかりの時には、脳外看護師は全員持っていると言っても過言ではないであろう「病気がみえるシリーズ」をおすすめします。その他に参考書を選ぶとしたら、基礎知識が簡潔にまとめられているものが良いでしょう。
病棟の特徴や、自分が興味のある領域がわかってから、詳しく記載されている参考書を選ぶと、理解がより深まります。

関連資格、キャリアアップ

脳神経外科病棟やSCU(脳卒中集中治療室)では以下のような資格が役立ちます。

・ISLSコースの受講
・脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
・摂食嚥下認定看護師

看護協会HP
https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn
日本救急医学会のHP
https://www.icls-web.com/

まとめ

脳神経外科病棟は、患者さんと常に密に関わるため、どんなに忙しくても「相手を大切に思う」姿勢が何よりも必要で、それは時に大きな忍耐力が求められます。しかしその分、スタッフ同士も大切にする風土の病棟が多く、働きやすい環境であることが多いです。
また、看護に必要な基礎技術は全て習得することができ、それは今後のキャリアアップにも活かされるため、将来の選択肢が広がります。

興味がある方は是非ブレインナースとして一緒に働きましょう!

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